Number Resource Society
NRS 憲章
インターネットをより安定した、誰もがつながる基盤にしていく。その未来を望む企業と個人が、今こそ共に行動するときです。NRS はこの信念のもとに活動します。
前文
1. Number Resource Society(NRS)は、番号資源管理機関の会員と、インターネットの安定を願うすべての人のために、IP アドレスの正確な登録を守る先頭に立ちます。NRS の設立とその理念は、インターネット番号資源の登録制度に対する理解の深まりから生まれました。インターネットの安定は社会の安定を支える基盤です。これを守ることが、NRS の根本理念であり、最終目標です。
2. NRS が行動の指針とするのは、RIPE と番号資源管理制度の先駆者 Robert Blokzijl 博士の考え方です。番号資源管理機関は、あくまで登録簿を管理する存在である。この原則に立ち、IP アドレスの正確な登録を促すとともに、インターネットの安定を損なう官僚的な運営に反対します。
3. 番号資源管理機関は、制度の出発点となった理念を次第に軽視するようになりました。その結果、権力の専横と誤った登録を招いています。資源移転の方針を持たない機関では独占的な地位が生まれ、会員やインターネットの生態系に対する権力の濫用を助長しています。NRS の会員が以下の原則を守り続けることで、正確な IP 登録と、機関・会員双方にとってよりよい制度を実現し、企業と社会のために安定したインターネットを築けると考えます。
4. NRS が目指すのは、境界や制約に縛られず、一つにつながるインターネットです。その基礎には、世界に開かれた自由市場、企業活動の自由、十分な透明性と説明責任が必要です。個人と民間企業が自らのネットワークを自由に運営できること。そして国籍、人種、宗教、思想を超えて、インターネットを一つのものとして捉えること。その両方があってこそ、安定を保つことができます。
第1条 基本理念
本憲章は、Robert Blokzijl 博士らが築いた番号資源登録の考え方を受け継ぎます。博士は1989年に RIPE の設立に参加し、長年にわたり同コミュニティの議長を務め、1992年には世界初の地域インターネットレジストリである RIPE NCC の設立を推進しました。この制度を長く支える理念は明快です。登録簿の管理という役割に徹することです。
第2条 番号資源管理機関の役割と限界
1. 番号資源管理機関は非営利組織であり、通常は限られた予算で運営されています。その地位を支えるのは、世界各地のネットワークによる自発的な承認だけです。インターネットの基盤を支配する組織だと捉えるのは誤りです。実際の役割は、インターネットが正常に機能するよう、正確な登録データベースを維持することにあります。
2. Robert Blokzijl 博士は、これらの機関を登録簿の管理者にすぎないと位置づけました。ネットワークの運営、各国の立法、人々がインターネットを使う自由に介入する立場ではありません。登録機関としての唯一の責務は、インターネット番号資源の登録を正確に保つことです。
3. 番号資源管理機関は、企業の技術的な需要に応じて番号資源を公平に分配する役割を担ってきました。IP アドレスが枯渇する段階に至れば、その分配の役割は自然に終わりを迎えます。その後に残る責務は、自由市場と企業活動の自由を尊重しながら、データベースの正確さを保つことです。
4. 法的には、番号資源管理機関は特定の法域で活動する民間法人です。方針、法人の文書、権限はすべてその法域の法律に従います。国を超えた権力を持つわけではなく、現地の司法管轄を離れて行動することはできません。他の民間法人と同様に、規制を制定したり、規制当局として振る舞ったりする権限はありません。
第3条 インターネットガバナンスと公的権限
1. 番号資源管理機関は、登録簿の管理者という自らの立場を守り、立法や規制の機能を担うべきではありません。それらは各国政府や国際的な統治機関の役割です。
2. この領域のインターネットガバナンスに欠かせないのは、番号資源を正確に登録し、コンピューターが正確かつ効率よく動作できるようにすることです。制度の存立は世界中の企業による自発的な承認にかかっていますが、その承認は無条件ではありません。企業が必要とするのは機能する登録データベースであって、専制的な支配者ではありません。番号資源管理機関にそのような支配を行う権限はなく、立法や規制を担う権限もありません。この役割が誤解や干渉なく理解され、守られるようにすることは、NRS の重要な責務です。それが登録制度とインターネット双方の安定につながります。
3. ボトムアップの意思形成は、番号資源管理機関の正当性と持続性を支えます。ただし、機関の運営も、そこに参加するコミュニティも、与えられた使命を超えてはなりません。その使命は、正確なインターネット番号資源の登録データベースを提供することです。
第4条 NRS の使命
番号資源管理機関の機能、予算、人員には限りがあります。IP アドレス登録が実社会で持つ価値への理解も、十分とは限りません。だからこそ、本来の役割に忠実であることが不可欠です。そこから逸脱すれば、負担しきれない法的責任を抱えるおそれがあります。
1. NRS は、自由な企業活動、グローバル化、人類の連帯、インターネットの進歩には、境界や制約に縛られず、有効に機能するガバナンス制度が必要だと考えます。
2. NRS は、番号資源こそインターネットの基礎だと考えます。インターネットの発展と安定は、主要な担い手である企業だけでなく、人類全体に利益をもたらします。
3. NRS は、この目標を実現する唯一の道は、インターネットの先駆者たちの教えを次の世代へ、さらにその先へと受け継ぐことだと考えます。
4. NRS は、各国政府と国際的な統治機関の管轄権および立法権を認め、尊重します。インターネット番号資源の分配と登録を担う制度は、それらの権限や所管領域に踏み込むべきではありません。
