Number Resource Society
POAを検討するための法務資料
委任する前に、自社にどのような権利があるのかを確かめる。AFRINICの会員とその弁護士が、契約・定款・モーリシャス法を照らし合わせ、単独での対応と会員による共同対応を比較するための資料です。
弁護士に確認を依頼する際に
AFRINIC会員の権利、共同で行動するための制度、利用できる救済手段を整理します。
この資料は、弁護士が検討すべき点を絞り込み、効率よく法的な見解を示せるようにするものです。NRSの主張への賛同を求めるものではありません。関連する原文を一緒に読み、以下の具体的な問いに答えてもらってください。個々の文書だけでは、権利の全体像が見えないことがあります。
最初に確かめたい三つのこと
- AFRINICが会員の番号資源に関する権利を停止・終了させ、または承認しなくなった場合、登録サービス契約(RSA)によって実際にどのような救済を受けられるか。
- AFRINICの定款とモーリシャス会社法の下で、該当する5%以上の要件を満たす会員が共同で行動すると、どのような権利を行使できるか。会員数と議決権の割合は区別して確認する。
- 措置の執行や資源の承認撤回に直面したとき、単独の契約上の権利と、会員が共同で行使する権利のどちらが実効的な保護につながるか。
検討の出発点は、会員が現在の権利だけで十分に自社を守れるかどうかです。「誰かと組む」ことへの賛否を先に決めるのではなく、適用される文書の内容と、現実に権利を実現できるかを確かめます。
1. 三つの基本文書を読み合わせる
AFRINICの登録サービス契約(RSA)
契約期間、終了、停止、紛争処理、免責、責任の制限、番号資源の継続的な承認に関わる条項を確認します。
AFRINICの定款(Bylaws)
Resource Memberの資格、会員の権限、議決権、代理行使、特別会員総会を招集する手続を確認します。
モーリシャス2001年会社法
特別会議、書面決議、議決権の要件、会員から発議する会社運営上の措置に関する規定を確認します。
2. 優先して確認する条項
| 文書 | 条項 | 確認する内容 | 判断を求める点 |
|---|---|---|---|
AFRINIC定款 | 第6.4条 | Resource Memberの資格に関わる、資源需要の説明、RSAの締結、必要な料金の支払い。 | 会員としての地位は、AFRINICとの契約関係にどの程度依存しているか。 |
AFRINIC定款 | 第7.6(8)条 | Registered MemberとResource Memberの5%以上が署名した通知によって、一つ以上の決議を審議する特別会員総会の招集を理事会に求める規定。 | RSAに基づく単独の権利に加え、実際に利用できる共同の手続を提供しているか。 |
AFRINIC定款 | 第11.6・12.11・12.12条 | 会議、表決、投票、郵便投票、代理行使の手続。 | 誰に投票資格があり、どの方法で行使でき、その方法は実務上も使えるか。 |
モーリシャス2001年会社法 | 第116条 | 当該事項の議決権の5%以上を保有する株主から書面で請求された場合の、特別会議の招集義務。 | 法律上の権利が会員の立場を補強するか、より狭い内部慣行の解釈を排除するか。当該組織と会員への適用も確認する。 |
モーリシャス2001年会社法 | 第117条 | 書面決議について、投票資格があり合計75%以上の議決権を持つ署名者、または定款が定めるそれ以上の割合など、必要な条件を確認する。 | 通常の会議日程を待たずに実現できる決定があるか。 |
AFRINICのRSA | 責任と救済に関する条項 | 会員を拘束する契約の版で、責任制限・免責・損害賠償の正確な文言を特定する。 | AFRINICが資源に対して措置を取った場合、損害賠償や差止めによる実効的な保護を得られるか。 |
3. 書面で回答してもらう五つの問い
問い1:AFRINICが番号資源の権利を停止・終了し、または承認を撤回した場合、適用されるRSAの下でどのような請求と救済が可能か。損害賠償、差止めの見込み、不服申立ての経路、手続上の前提条件、救済までの見込み期間を明示してください。
問い2:単独で行動する会員に、RSA以外の実効的な手段はあるか。ある場合は法的根拠を、ない場合はその旨を明確にしてください。
問い3:AFRINIC定款と会社法第116条により、当該事項の議決権の5%以上を持つ会員は特別会議の招集を求められるか。「可能」「不可能」「条件付き」のいずれかを示し、会員数の要件と議決権の要件を区別して確認してください。
問い4:5%の要件を満たす共同の行動が可能な場合、小規模ISPが単独では実現しにくい、どの決議・手続・戦略上の保護を利用できるようになるか。
問い5:両方の経路を率直に比較してください。小規模ISPは、自社のRSAだけに依拠する場合と、適法に連携する会員の一員として定款およびモーリシャス法上の権利を行使する場合とで、どちらが法的に有利な立場に立てるか。
4. 実際の場面に当てはめる
| 場面 | RSAに基づく単独対応 | 会員による共同対応 | 弁護士の結論 |
|---|---|---|---|
A. AFRINICから、資源の停止または承認撤回の通知が届いた。 | 直ちに請求できる契約上の救済、通知期間、損害賠償の制限を確認する。 | 会員の連携で会議・決議、またはより広い手続上の異議申立てを起こせるかを確認する。 | どちらが実効的かを判断。 |
B. AFRINICが措置を実行し、事業継続のために緊急対応が必要となった。 | 運用上の被害が出る前に、RSAによって現実的に間に合う救済を得られるか。 | 共同の手続が交渉力や訴訟上の立場を実質的に改善するか。 | どちらが実効的かを判断。 |
C. ガバナンスを巡る紛争があり、機関の行為の有効性も争われている。 | 単独の会員は、実際には限定的な二者間の契約関係でしか主張できないのか。 | 法律や定款に基づく会員の権利が、手続に異議を唱え、または制御するためのより強い経路となるか。 | どちらが実効的かを判断。 |
5. 一枚の意見書にまとめる
次の項目に沿って、書面の結論を依頼してください。
- 確認した、会員を拘束するRSAの版:________
- 確認した定款の版:________
- 確認した会社法の条項:________
- RSAによる単独の救済について:________
- 5%の要件を満たす会員の行動が、より強い権利をもたらすか:________
- 共同対応によって実際の保護が改善するか:________
- 総合的な結論:________
- 主な法的根拠と条項番号:________
- 結論に付く重要な条件・未解決の点:________
6. 検討の際に区別すること
- 確認するのは、その会員を実際に拘束するRSAです。解説、草案、旧版をそのまま適用できるとは限りません。
- 契約・定款・法律上の権利を一緒に検討します。RSAだけを読むと、利用できる権利を過小評価するおそれがあります。
- 損害賠償、手続上の働きかけ、事業継続は別々の問題です。
- 理論上存在するだけの救済か、それとも運用に被害が出るまでの時間内に実際に使える救済かを明示します。
付録:条項を探すためのメモ
AFRINIC定款:第6.4条はResource Memberの資格、第7.6(8)条はRegistered MemberとResource Memberの5%以上による特別会員総会の招集請求、第12.11・12.12条は投票と代理行使に関する規定です。
モーリシャス2001年会社法:第116条は当該事項の議決権の5%以上を持つ株主による特別会議の書面請求、第117条は書面決議に関する規定です。個別の事案への適用は弁護士が確認します。
RSA:適用される版で、責任、救済の制限、期間、更新、停止、終了の条項を特定します。
この資料は会員と弁護士が検討を進めるための手引きです。個別の事情に即した法的助言に代わるものではありません。
